鯱光の朋来る。  8月の来訪者③

「よくもまあ」と半ば呆れたのではあるが、高校時代に最も親しかったクラスメート2人が名古屋からはるばるこの外房の片田舎まで訪れてくれた。
特に何かがあったわけではない。
ただ「農夫になった亭主の状況視察」が旅の目的だという。
もちろん「チョー嬉しい。」のではあるが、一般的に考えて男がこんなことするか?
女性ならわからんでもないが、遠く離れた男同士が旧交を温めるのは「何かのついでに寄った。」というのが普通の姿だろう。
わざわざこのためだけにしかも一泊で…キモチワルーでもある。

<遠来の鯱光の朋  メガネなし タニさん メガネ イッチョク氏>
8月は、いすみ宅にはブログのトップを飾る花があまり見つからず記念写真で…
高校の卒業生の会を鯱光会という。名古屋らしく名古屋城の金の鯱鉾から名づけられてる。
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でわが農園のブルーベリーもぼつぼつヤマを越し始めた8月10日、ご両所は外房線大原駅に降り立った。
お互いに顔を見合わせ笑いだす。「真っ白だな」


                     <秋 思>     許渾(晩唐)

        琪樹西風枕簟秋  (きじゅの せいふう ちんてんの あき)

        楚雲湘水憶同遊  (そうん しょうすい どうゆうを おもう)

        高歌一曲掩明鏡  (こうか いっきょく めいきょうを おおう)

        昨日少年今白頭  (さくじつの しょうねん いま はくとう)


   美しい樹木に秋風が吹き、枕やたかむしろにもひんやりと秋の気配が感じられるようになった。
   友と遊んだ楚の国の雲や湘江の流れを懐かしく想う。
   声高らかに歌を一曲歌い、鏡の中の自分の姿を見て、すぐに鏡をおおってしまった。
   この間まで若いと思っていたのに、そこにうつっていたのは白髪頭の老人だった。

時は盛夏だが三人ともすでに秋に入っていたのだ。
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二八のころボート部で名コックスだったタニさんはS嬢に惚れ、ラグビー部の俊足ウイングだったイッチョク氏はT嬢に惚れ、サッカー部で大好きだったJリーグの井原選手と同じ背番号4だった亭主はA嬢に惚れ、皆見事に振られた。
傷心の卒業旅行は男3人の南紀だった。
あの頃からキモチワルーだったのかもしれない。

いつもどおり大原の田中屋で刺し身を誂え、わが家へ直行。
うだるような炎天ではブルーベリーも熱くなってる。
摘むのは明日の朝ということにして懇談。
タニさんはまだボートを漕いでる。イッチョク氏はゴルフが生きがい。亭主の婆さんの話や農園遊び等々話題は尽きない。
そんななか、タニさんが8月15日にNHKスペシャルで放映する終戦特集ドラマ『15歳の志願兵』は、『積乱雲の彼方へ』が原作だと教えてくれた。
「えっ!あのスイバンのか?…」
スイバンというのは3人が授業を受けた化学の教師のあだ名なのだ。
もう何年も前だが、その著書が同窓会で紹介され亭主も持っている。
ドラマの主人公はスイバンだったのだ。
そういえばスイバンはボート部の顧問だったと記憶している。
こんな話題が母校から遠く離れたいすみで、級友からしかも放映直前に出るのもこれもまたなんかの縁だ…

つぎの朝は早くからブルーベリー摘みとなった。
朝食もそこそこに…
とはいうもののタニさんは農芸化学部出で製パン会社のエライさんだったからジャムにはうるさかった。
「グラニュー糖使ってるから味がやさしいね」「砂糖少なくても固まる?」「煮沸時間は?」等々
後でお褒めの言葉をいただいてホッとした。
<やはり朝はすがすがしい>
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<男二人じゃ絵にならないか…>
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<ハナもお付き合い>
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<タニさん 摘んだ実をブチ撒けた…>
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折角はるばるやって来てくれたのにブルーベリーだけじゃもったいないと大多喜のお城まで足を伸ばした。
<先ずは友人が寄贈した絵のうんちくを語りつつ大多喜駅へ>
どうもこの二人、記念写真が好きみたいだ。
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<次いでお城へ>
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この後、城主であった本多忠勝のお墓から、甘いモノ好きのイッチョクさんのご希望で十万石最中を買いに津知屋へ寄って帰ってきた。
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わずか一泊の短い時間ではあったが、会えばすぐに名古屋人に戻り、学生時代に戻る。
長い年月を経てきた仲間との思いで一つ一つが昨日のことのように生きいきとよみがえる。
婆さんの書き残してくれた額がまたしゃべりかけてくるようだ。
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